前回の記事では、仮想通貨を始めるための全体の流れを整理しました。そこで書ききれなかった「では具体的にどの取引所を選べばいいのか」を、今回は主要5社を横に並べて整理してみます。
先にお断りしておくと、この記事はどの取引所が一番良いかを決めるものではありません。手数料・取扱銘柄数・セキュリティといった、比較検討に必要な事実を並べるところまでを目的にしています。どれを選ぶかは、ご自身の使い方(積立中心か、頻繁に売買するか、扱いたい銘柄があるか)によって変わるはずです。
こんな方に向いています
- 複数の取引所を比較してから口座開設したい
- 手数料や取扱銘柄数の違いを具体的に知りたい
- 過去のセキュリティ実績も判断材料に入れたい
1. 主要5社の一覧比較
国内で金融庁に暗号資産交換業者として登録されている取引所は複数ありますが、ここでは取扱銘柄数・実績の面で代表的な5社(bitFlyer・Coincheck・GMOコイン・bitbank・SBI VCトレード)を取り上げます。5社ともに金融庁の暗号資産交換業者登録を受けています。
| 項目 | bitFlyer | Coincheck | GMOコイン | bitbank | SBI VCトレード |
|---|---|---|---|---|---|
| 取引形態 | 販売所・取引所 | 販売所・取引所 | 販売所・取引所 | 販売所・取引所(全銘柄が板取引対応) | 販売所・取引所 |
| 取扱銘柄数(目安) | 約40銘柄 | 35銘柄 | 24銘柄 | 44銘柄 | 35銘柄前後 |
| 取引所の取引手数料(BTC/JPY) | 約定数量×0.01〜0.15% | 無料 | Maker -0.01%/Taker 0.05% | Maker 0%前後/Taker 0.12% | Maker -0.01%/Taker 0.05% |
| 最低取引金額の目安 | 1円相当額から(積立) | 500円相当額から | 500円相当額から | 各銘柄の取引単位に準拠 | 各銘柄の取引単位に準拠 |
| 特徴・実績 | 創業以来ハッキング被害ゼロを継続と公表 | マネックスグループ傘下。2018年に外部流出事故があり、その後顧客への補償・体制強化を実施 | 入出金手数料等、無料の項目が比較的多い | 取扱銘柄数が多く、板が比較的厚いとされる | SBIグループ。2025年にDMM Bitcoinから移管された顧客資産の受け入れ実績あり |
2026年9月時点で各社公式サイト・複数の第三者比較記事を突き合わせて確認した数値です。手数料・取扱銘柄数は改定・追加が多いため、最終確認は必ず各社公式サイトで行ってください。取引所手数料は「取引所」形式(板取引)の場合の数値で、「販売所」で買う場合はスプレッドが別途発生します(詳しくは前回記事の「販売所」と「取引所」の違いをご覧ください)。
2. 選ぶときに、私が見ているポイント
5社を並べてみて、違いが大きく出るのは主に次の3点だと感じています。
取扱銘柄数
ビットコイン・イーサリアムなど主要銘柄だけで良ければ、どの取引所でも大きな差はありません。一方、マイナーな銘柄まで扱いたい場合は、bitbankのように取扱銘柄数が多い取引所のほうが選択肢が広がります。
取引所手数料の水準
頻繁に売買する場合は、取引所形式(板取引)の手数料水準が効いてきます。GMOコインやSBI VCトレードはメイカー注文がマイナス手数料(受け取れる)、テイカー注文も0.05%と低めに設定されています。一方、月に数回程度の積立が中心なら、手数料の差が総コストに与える影響は限定的です。
セキュリティの実績
ハッキング等による流出事故は、Coincheckが2018年に経験した例が広く知られています(その後、顧客への現金補償と体制強化を実施し、現在はマネックスグループの傘下で運営)。一方、bitFlyerは創業以来ハッキング被害ゼロを公表しています。どの取引所も現在は金融庁の監督下で資産の分別管理が義務付けられていますが、過去の実績も判断材料の一つになると考えています。
3. 複数の取引所を併用するという選択肢
証券口座と同じように、暗号資産の取引所も複数の口座を併用している人は珍しくありません。たとえば、積立はシンプルなアプリの取引所で続けつつ、板取引で細かく売買したいときだけ手数料の安い取引所を使う、という組み合わせ方もできます。口座開設自体は無料の取引所がほとんどなので、まず気になった1〜2社で始めてみて、使い勝手を確かめながら増やしていくのも一つの方法だと思います。