「暗号資産の『価値』はどう読むか」シリーズは、毎回わざと性質の異なる銘柄を選んで、同じ7つの観点をあて続けてきました。5本読み終えると、それぞれの記事の結びで書いた「この銘柄は何を価値の核心にしているか」という整理が、記事をまたいで散らばったままになります。このページは、その整理を1つの表にまとめ直すためだけの早見ページです。新しい分析や結論を加えるものではありません。
| 観点 | ①ビットコイン (BTC) |
②イーサリアム (ETH) |
③柴犬コイン (SHIB) |
④XRP (Ripple) |
⑤テザー (USDT) |
|---|---|---|---|---|---|
| 価値の核心(分類) | デジタルゴールド(価値の保存を志向) | スマートコントラクトプラットフォーム(汎用計算基盤) | ミームコイン(コミュニティ主導・実用性は限定的) | 決済・送金特化型(企業主導の中央集権寄り) | 法定通貨担保型ステーブルコイン |
| 発行の背景 | 2008年、サトシ・ナカモトが第三者不要の電子キャッシュを提案 | 2013年、19歳のVitalik Buterin氏がプログラム可能な基盤として構想 | 2020年、匿名の「Ryoshi」が創設、供給の過半をVitalik氏へ送付 | 2011年、PoWの電力消費への批判から発案、企業主導で開発 | 2014年、3名が「現実の通貨と繋ぎ止める」という理念で設立 |
| 時価総額(2026年9月時点) | 約1.60兆ドル(全体1位) | 約3,020億ドル(全体2位) | 約32億ドル(ミームコイン内2位) | 約880億ドル(全体5位) | 約1,834億ドル(ステーブルコイン最大手) |
| 循環供給量 | 約2,008万BTC(上限2,100万の95.6%) | 約1億2,203万ETH(発行上限なし) | 約589兆SHIB(発行時上限1,000兆) | 約627億XRP(発行済み総量1,000億) | 約1,834億USDT(上限の概念なし・需給で日次伸縮) |
| 結びの一言 | 7つの観点をたどってみて | ビットコインの逆を選んだ設計をたどってみて | 熱量をどう読むか | 会社の物語と資産の価値を切り離す練習 | 値上がりしない資産を、値上がりする資産の型で読む試み |
「価値の核心(分類)」「結びの一言」は各記事で筆者が定性的に整理した表現を、優劣ではなく型の違いとして引用しています。時価総額・循環供給量は各記事の執筆時点(2026年9月、日付は記事ごとに数日のズレあり)の調査にもとづくもので、同一時点の比較ではありません。
読み取れること
5銘柄とも「暗号資産」というくくりでは同じですが、価値の置き場所はまったく別物でした。ビットコインは供給上限という「希少性の設計」そのものを価値の核にしていて、イーサリアムはそこから一歩進み、供給ではなく「何を作れるか」という用途の広さを核にしています。柴犬コインは対照的に、供給・技術・組織のどれも薄く、コミュニティの熱量そのものが価値を支えている銘柄でした。XRPは他の4銘柄と違い、発行体企業という「会社」が存在する分、資産の値動きと会社の経営という2つの物語を分けて読む必要がある銘柄でした。そしてテザーは、そもそも値上がりを目指さない銘柄を、値上がりを前提に組んだ7つの観点にあててみるとどうなるか、というこのシリーズ自体への耐久試験のような1本でした。
この表は、次にどんな銘柄を読むときにも使える「物差しの当てどころ」の記録として置いています。銘柄によってどの観点が厚く、どこが空欄になるのかを見比べる、というのがこのシリーズの一番の狙いです。